カテゴリ:プリント( 121 )

 最近ちょっと思い悩んでいることがあります。自分のプリントがどんどん黒くなって行く気がするのです。暗室でOKと思っても数日後にフラットニングが済んだプリントを見ると、どうしても黒すぎると感じてしまい、焼き直しとなります。でも、どうしてもその黒さでないと納得出来ない自分がいるのです。「モノクロプリントを焼き続けると、どんどん黒くなって行くから注意しないといけない。」とアドバイスしたりする私なのにです。
 問題は根深いように感じています。過去のプリントを見直すと、そんなに黒いとは思いませんし、もっと黒い方が良いとも思わないのです。でも、新しくプリントしてみると、グッと押してしまう感じです。ちょっと時間がかかりそうです。
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キヤノンT90に100ミリです。爽やかな空。

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 最後にグレーです。正直、これが一番難しいと思います。黒から白へ流れるような美しい諧調のグレーが良いと思われがちですが、私はちょっと違った意見を持っています。グレーは黒や白より自由度が高いと思うのです。ですから個性的なグレーがあっても良いと思うのです。 
 私はどちらかと言えば黒に近いほうのグレーが好きです。もちろん白に近いグレーが好きなかたもおられると思います。これは作品のテーマ、表現に関わるところですから熟考を要します。このグレーの出し方で表現が決定されると言っても過言ではないと思います。
 美しいプリントというのはこのグレーが本当に美しく表現されているものです。そして適切なコントラストとのバランスがさらにプリントのクオリティーを高めます。
 言うは易しで、本当に奥深く難しいものです。

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キヤノンニューF-1に28ミリです。カナダ、トロントにて。

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 さて、白ですが、これがなかなか奥深いものであると思っています。輝くような白と言いますが、その印画紙で表現出来る白はその印画紙の地の白以上の白はあり得ません。地がクリーミーな色であればそれが最大の白ということです。プリントに太陽が写っていて、眩しく感じるのは記憶が刺激されているからです。そして、それこそが白の極意と言えます。
 私は白にもトーンが必要だと思っています。トーンの無い白で表現されるのは太陽くらいです。よくプリントのクオリティーの話で黒について語られますが、本当に難しいのは白ではないかと思っています。

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キヤノンT90に28ミリです。横浜の墓地にて。

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 モノクロプリントについて、ご質問をいただきました。「よく、銀塩プリントでは黒が大切と言われるが、どんな黒なのか?」というご質問です。とても難しいのですが、私の考えを申し上げます。決して正解というわけではなく、私の意見です。
 まず、基本的にはプリントのイメージの中に、その印画紙の最大濃度が存在すること。要するに、その印画紙で出せる最大の黒です。次に、ベタっと潰れた黒ではいけません。黒の中にもトーンが存在すること。カッコ良く言えば「黒の中の黒。」という感じです。
 これが黒に関する私の基本的な意見です。
 次にグレー、そして白ということになるのですが・・・・・。


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キヤノンニューF-1に24ミリです。街角で。



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 プリントの制作過程で私が最も苦労しているのはバライタ印画紙の水洗です。アーカイバルプリントウォッシャーを持っていませんので、バットか風呂場の浴槽を使っています。ほとんどはバットでの水洗になりますが、印画紙を入れてシャワーヘッドを突っ込んでいます。ただし水洗促進剤は必ず使い、水洗時はプリントを下から上へ入れ替えて水洗効率を確保しています。バットに入れて水を流しっぱなしでは、印画紙が引っ付いたりして上手く水洗できません。労をおしまず、とにかく丁寧にですね。本音はアーカイバルプリントウォッシャーが欲しいんですけどね。高価ですし、置いておく場所もありません(笑)。

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キヤノンニューF-1に35ミリF2.8です。カナダ、ケベックにて。

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 私はプリントのクオリティーを大切にしています。でもプリントのクオリティーはあくまでも作品の土台であると考えています。アンセル・アダムスの言葉に「ネガは楽譜、プリントは演奏である。」というのがあります。とても有名な言葉で、多くの写真家がこの言葉を引用されています。
 私もアンセル・アダムスの作品には感激と感嘆を禁じえません。そして、あのような美しいプリントを自分も制作したいものだと常に思っています。
 今年は、今まで以上にプリントのクオリティーに拘りたいと思っています。今、私が思っているのはジャズのアドリブのようなプリントが出来ないかと考えています。具体的にはなかなか言葉にならないのですが、作品その物をさらに盛り上げるようなイメージなのですが。さて、どうなることやら。今日からプリントを始めます。

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EOS-1Nに24ミリF2.8です。エジプトで。

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 個展開催中に御来廊いただいた方から御質問をいただきました。プリント時に段階露光をしているのかという内容でした。以前は長年自分のネガを見ていますので、おおよその判断がつくので、段階露光を取らずに一発焼きでテストしていました。でも最近は印画紙の価格の高騰で、そんなことも出来なくなりましたので、段階露光でテストしています。でも、ネガを見れば大体の露光秒数は分かりますので、段階と言っても2段階しか取りません。例えば6秒と判断すれば後は7秒か8秒の2段階です。レンズの絞りは開放から2絞りと決めていますので、露光秒数の違いのみというわけです。
 そして、最初のテストプリントとなります。そのプリントを見てコントラストフィルターの値、基本露光、あるいは焼き込みや覆い焼きを決めています。
 プリントを始めて間もない方は10段階くらいのテストピースを作ることをお薦めします。それとコントラストフィルターですが、集散光式の引き伸ばし機であれば2号、散光式であれば3号から始めることをお薦めします。
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オリンパスペンE-P3・LUMIX14ミリF2.5です。街角で。
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 いつももことながら難しいのがスポッテイング作業です。最近は眼が悪くなったせいで、ますます難しくなっています。若い頃は全く苦にならなかったのですが、今ではとても神経を使います。裸眼で作業していたものが、今やルーペが必要です。
 私は引き伸ばしではガラス無しのネガキャリアーを使っています。ガラス入りだとネガも含めて6面も清掃しなければなりません。ガラス無しだと2面で済みます。まずネガの静電気を除去し、エアーダスターで埃をとばしています。それでもスポッティングが必要な個所が出ることがあります。点状のスポットはそう難しくありません。難しいのは線状のスポッテイング作業です。スポットーンを使い、まず薄い色で作業を始め、徐々に色を合わせるようにしています。日本画用の面相筆を使い、粒子を置いていく感じです。
 ますます難しくなる作業なので、ネガの埃の除去作業の徹底を考えています。高倍率のルーペでネガ上の埃を取る良い方法を思案中というところです。
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オリンンパスペンE-P3・LUMIX14ミリF2.5です。四天王寺にて。
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 12月のオリンパスギャラリー大阪での個展用のプリントのフラットニングを終えました。プリントは概ね一つのコマについて数枚のプリントを作成しましたので、フラットニング後に最終セレクトとなります。ところが、これが難しいのです。要するに展示させていただくギャラリーの照明を思い出して、決定しなければなりません。何点かはどれにしようか、迷いに迷ったプリントもあります。
 それでも、なんとかイメージを膨らませて決めました。最後の最後は搬入後に差し替えもありということで、何点かは持って行くつもりです。
 ところで、普段はプリントの最終セレクトは窓から入る柔らかい太陽光下で行っています。展示用プリントはその会場の照明下を考慮しています。本当にプリントは難しいものだと思います。
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オリンンパスペンE-P3・LUMIX14ミリF2.5です。街角で。
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 12月のオリンパスギャラリー大阪での個展の為のプリントが概ね終わりそうです。今回の印画紙はイルフォードのバライタの光沢紙です。ドライダウンがなかなかつかめなくてちょっと苦労しました。次はドライマウントプレス機を使ってフラットニング、そして全体の仕上がりをチェックします。きっちりとフラットニングすることで、作品の見えは随分変わるものです。おそらく何点かは焼き直しが出ると思いますが、だいたいは上手くいっていると思っています。
 スポッテイング作業の後、ドライマウントプレス機を使って1ミリのボードを裏打ちします。最後にオーバーマットで仕上げて完成の予定です。
 ところが、今までの経験では完成した作品を毎日見ていると、どうしても気になる部分が出てくるものです。そこで、最終の焼き直しが出ることがあるのですが、それが良い結果に繋がらないこともあります。本当に難しいものですね(笑)。
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オリンンパスペンE-P3・LUMIX14ミリF2.5です。街角で。
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