渡辺兼人 2015年3月30日

 写真家渡辺兼人(わたなべかねんど)氏をご存じですか。私が初めて渡辺氏を知ったのは「既視の街」という作品で、渡辺氏はこの作品で1981年第7回木村伊兵衛賞を受賞されています。この作品を初めて観た時、大きな衝撃を受けたのを覚えています。確かに街を撮った写真なのですが、そこには「写真とは何なのか」という事、そして純粋に「写真そのもの」を思考するといった事を感じさせる作品でした。その時から私にとって渡辺兼人という写真家は注目せざるを得ない一人となりました。
 その渡辺氏の新作「泡沫の声」が日本カメラ誌の4月号に掲載されています。いつもは6×6や6×7のフォーマットが中心で、ほぼ完璧ななレベルと言われるほどのモノクロームプリントであったと思うのですが、今回はおそらく初めてであろう35ミリカメラのローライ35Tを使った作品です。この作品、何度も観直しているですが、私には正直どう感じてよいのやら分かりません。あまりにも素っ気無い、何でも無い街角の風景なのです。それに珍しく人も写っているのです。私の思考などはるかに超えたところに到達されたような気もします。おそらく当分の間、この作品を見続けることになりそうです。
 それと人形作家の四谷シモン氏は渡辺氏の兄です。
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ソニーRX1です。新世界にて。
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by jackal-t1y4 | 2015-03-30 00:18 | 写真家 | Comments(0)